LLPの特徴
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LLP(有限責任事業組合)には、組織設立または運営の上でとても有用な様々な特徴があります。
その特徴の中でも代表的なものを以下にご紹介します。
共同事業の器である
有限責任制を備えている
内部自治の原則が徹底されている
構成員課税なのでLLP自体に法人税がかからない
設立の手続きがシンプルである
設立の費用が株式会社に比べて安い
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まずは、
共同事業の器である |
について
LLPに対して出資した人(株式会社で言うところの「株主」+「取締役」に近い存在)を『組合員』といいます。
この組合員は法人でも構いません。
この組合員の全員が必ず事業に参画しなければならないため、各構成員の持つ”強み”を活かし、組織全体としてのポテンシャルを最大限に発揮することができます。
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有限責任制を備えている |
について
この「有限責任」とは、「出資した人または法人は、その出資額の範囲を超えては責任を負わない」というものです。
例えば、縁起でもない話ですが、設立したLLPが経営に失敗して解散する、となった際に、1,000万円の負債が残ってしまっていた場合、ある出資組合員の出資金額が500万円だったとしたら、この組合員は出資金額である500万円をあきらめさえすればよく、負債である1,000万円について債権者から負担を求められることはない、ということです。
これが、「合資会社」や「合名会社」の「無限責任社員」の場合であれば、自分の出資額を超えて、組織の負債額についても責任を求められることとなります。
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内部自治の原則が徹底されている |
について
この「内部自治」とは、組織の意思決定や運営に関するルールについて、出資組合員自らが自由に作ることができる、ことを言い、LLPにおいては作ったルールを「組合契約書」という形にまとめて運営します。
「自由」とは言ってももちろん一定のルールの中での話しですが、株式会社などに比べると法定されている「決まり事」が少なく、運営の自由度が高いことから臨機応変かつスピーディーな組織運営が可能になります。
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構成員課税なのでLLP自体に法人税がかからない |
について
LLPの事業で利益が上がった場合は、組合員に分配された時点ではじめて各組合員に対してのみ課税が行われることとなります。これを「構成員課税(パススルー課税)」制度といいます。
これはLLPが法人格を有しないことに起因するものであり、法人格を有する株式会社やLLCにはない取扱です。
つまり、株式会社の株主であれば、法人の上げた利益自体に法人税が課され、その上でさらに分配された配当にも課税される、いわゆる「二重課税」が行われますが、LLPではこの二重課税を回避できることになります。
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設立の手続きがシンプルである |
について
LLPの設立のプロセス中、株式会社の場合では必要となる「公証人による定款の認証(※)」手続きが不要であり、また登記申請から登記の完了までの期間も、株式会社なら概ね2〜3週間程度はかかるところ、1週間から10日程度と短期で済みますから、事業計画が立てやすいことも大きなメリットです。
(※)公証役場で定款の内容の適法性等を確認してもらう手続き
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設立の費用が株式会社に比べて安い |
について
LLP設立の際に最低限かかる実費としては、登記の際に貼る印紙代(登録免許税)の6万円のみです。 (その他に印鑑の作成費などは別途必要)
登録免許税が基本的に15万円、定款に貼る印紙代が4万円、そしてその他に「公証人による定款の認証手続き」に5万数千円がかかり、その合計が24万円を超える株式会社と比べるとだいぶ安く済むことになります。
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LLP |
株式会社 |
| 公証人の定款認証代 . |
0円 |
5万数千円 |
| 定 款 等 印 紙 代 |
0円 |
4万円 |
| 登記時の登録免許税 |
6万円 |
(※)15万円 |
| 合 計 |
6万円 |
24万数千円 |
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(※)原則は、資本金額の0.7%だが、最低額が15万円。 |
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LLPにはどんな事業が向いているか
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同じ目的に向かって共に頑張っていく仲間が集まって、それぞれが持つ強み(能力、知識、資金、ノウハウなど)を持ち寄り行っていく共同事業の器として、LLPは最適な組織体のひとつでしょう。
この辺りについてはLLC(合同会社)にも同じことが言えます。
これまで我が国では、見込みのある新しい事業を立ち上げる場合、合弁で株式会社を作ったり、建設共同事業体(JV)などでは民法上の任意組合を作って事業を行うような形がほとんどでしたが、前者の場合は利益配分の自由度などの点で使い勝手が悪かったり、後者では失敗の場合、無限責任を負うなどの難点が指摘されていました。
アイデアや技術はあっても、その「資産」を活かしきれないケースが多くあり、特に近年、有望産業がソフトウエア産業などに代表される、個人が発揮する能力が事業の要になる創造的産業に移ってくると、産業界からの小回りの利く新しい事業組織形態への要望はますます高まってきていました。
そんな中で、海外で活用が進み大きな成果を上げていた「LLP」や「LLC」に熱い視線が注がれるようになった訳です。
こんな状況からも、新制度LLP・LLCが最も利用しやすく、また実際に活用が進むと考えられる分野として以下のものがあげられます。
●既存の企業と企業の、または規模の異なる組織あるいは個人間の合弁事業(ジョイント・ベンチャー)などの器としての活用
●人的資産が事業の要となる創造的産業(ソフトウエア開発などIT産業、アニメーション産業など)
●金融サービス業 (ただし、LLPでは「出資者=業務執行者」との原則があるのでファンドでの利用には不向きなケースが多いと思われる。)
●高度な知識を持つ専門家集団での活用 (弁護士・公認会計士・社会保険労務士・税理士・各種コンサルタントまたは医師など)(※士業の場合、無限責任が求められている各士業法の改正等がなされなければ直接の利用はできない。)
●緩やかなネットワークを組んで仕事をしていた、いわゆる「SOHO(ソーホー)」の自営業者がLLPを活用して器を作り、全体として大きな仕事を受注したり、取引先に対して有利に取引を行うような場合。
ただ、例示したこれらの産業に該当しない場合でも、案件ごとの特性によっては様々な活用の道が今後示され、展開されていくと思われます。
●特にLLPに出資する年金受給年齢に達している高齢者は、70歳未満であってもLLPで厚生年金に加入することがないので、LLPから利益の分配を受けながらも年金はカットされることなく全額受給できます。
これは法人格の無いLLPならではのメリットです。
2007年問題が叫ばれる中、まだまだ現役志向の強いエルダー世代の起業家にはこうした視点からも利用しやすい制度といえそうです。
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当センターには社会保険労務士もおりますので、この辺りについてもご相談が可能です。実際に、年金受給者同士が退職金を元手にLLPを立ち上げるようなケースのサポート業務が増えてきています。
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LLPの設立手続き
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LLP設立時の登記完了までの手続きの流れは、以下のようなものになります。
LLPの商号(名称)・事業目的を決定する
商号調査・事業目的の適正確認を行う
LLPの組合登録印を作成する
組織運営のルールを相談し、取り決める
相談の結果に基づき、LLPの「組合契約書」を作成する
各出資組合員が決められた銀行口座に出資金を振り込む
登記申請書類を作成・添付書類等も準備
法務局に登記申請を行う
【 この間、7〜10日前後 】
登記完了、登記簿謄本の取得が可能となる
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※ 「組合登録印(実印)」は手続きの中で必ず必要になりますが、事業が
動き出せば大抵の場合「銀行印」や「角印」も必要になってきますから、
3本を一緒に作られることをお勧めします。
はんこ屋さんによっては、セット割引がある場合が多いと思います。
※ 出資金の振込みを受け入れる銀行口座は、出資社員予定者のどなた
か(通常は代表予定者)の個人のひとつの口座を使い、そこに全員が
自身の名前で振込みを行います。
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LLPの登記すべき事項
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LLPが必ず登記すべき事項は以下の通りです。
組合の事業(事業内容)
組合の名称
組合員の氏名または名称および住所
組合契約書の効力が発生する年月日
組合の存続期間
組合の主たる事務所
組合の従たる事務所
組合員が法人であるときは、当該組合員の職務執行者の
氏名および住所
組合契約書において法定解散事由以外の解散の事由を
定めたときはその事由
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※ 「事業」とは事業内容のことです。事業の先を見据えて記載しましょう。
許認可を必要とする事業を行う場合は、LLPでは許認可を受けられ
ないケースが多いと思われますので、事前に管轄する行政窓口に
必ず確認をしておいてください。
※ 「名称」の前後いずれかには、必ず「有限責任事業組合」の文字を
使用します。
「LLP」との表記は正式な登記には使えません。
※ 「組合員全員の氏名または名称および住所」を登記し、これは登記簿
にも記載されます。
※ 「存続期間」は必ず定めるのですが、期間に上限も下限もありません
から任意に決められます。この期間が満了する際には、組合契約書を
変更して期間を更新することができます。
※ 「主たる事務所」と決めた場所を管轄する法務局で登記手続きを行い
ます。また「従たる事務所」を設置する場合は、ここを管轄する法務局
でも登記手続きを行います
※ 法人が組合員となるときは、「職務を行うべき者(職務執行者)」を
指名します。
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LLPのルールブック 「組合契約書」
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LLPは運営の「自由度が高い組織体である」といわれますが、何も準備をしなければ法律に定めてある規定に沿った原則通りの運営をすることになりますから自由度は高くなりません。
使い勝手の良い組織を実現するためには、「組合契約書」の中に「独自のルール」を規定する必要があります。
これら独自のルールは「任意的記載事項」と呼ばれますが、この他に定款に記載しなければ法律的効果を得られない「相対的記載事項」、定款には絶対に記載しなければならない「絶対的記載事項」があります。
「絶対的記載事項」には以下のようなものがあります。
組合の事業(事業内容)
組合の名称
組合の事務所の所在地(主従とも)
組合員の氏名または名称および住所
組合契約書の効力が発生する年月日
組合の存続期間
組合員の出資の目的およびその価額
組合の事業年度
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※ この他に、「出資比率に応じない場合の利益の分配割合」や「組合員の
脱退制限」など様々な事項について独自のルールを定めることが
できます。
(ただし、独自規定には適法性が求められるのはもちろんですが、
他にも一定の制限はあります。)
※ 「出資金」は1円以上なら一応は大丈夫です。ただし、組織運営に
要する現実的な金額にすることを強くお勧めします。
LLPの設立は2以上の人または法人で行いますので、1円ずつ出して
も最低額は2円になりますね。
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この組合契約書の出来・不出来がLLPの業務執行の成否に大きく関わってくるのは間違いないでしょう。
具体的には、その事業の【業種】、【規模】、【組合員の数】、【組合員の構成(つまり法人と個人の加入バランス)】、【組合員の入れ替わり】、【出資額と利益分配のバランス】、【組合員間の実質的力関係】、【組合員の意思統一の度合い】、【収支がマイナスになった場合の損失額の分配】、【当初の見通し存続期間】、【業種ごとに予想されるリスクの種類】、または【予想されるリスクの発生頻度】などなど、その他にも
本当に様々な角度から見て、法律的にも必要な条文を漏れなく織り込む必要がありますから、この組合契約書については、しっかりとした法律的知識をベースに作成にあたることが大変重要なポイントとなります。
例えば、短期間でよく検討もせず、他の組合の使った雛形的契約書を流用して組合組成したような場合ですが、業務執行についてある決定を下すのに、特定の組合員で構成する幹部会のような組織にその決定権限を委任するような取決めを事前にしておかなければ、組合員が何十人いようとも、全組合員の同意を得なければ決定が出来ない状況が発生しかねません。
この組合員の中にたったひとり”へそ曲がり”がいて、その方の同意が得られなければ組織全体が動かなくなるような状況も想定されます。
また、問題の多い組合員を除名したいような場合も事前に組合契約書に、どんな場合なら、またはどんな手順を踏めば除名できる、とするような取決めをしておかなければ、その問題組合員を抱え続けなければならないようなことにもなりかねません。
これらは組合契約書策定に関連するリスクの一例に過ぎません。
ただ一方で、細かいことを組合契約書に書き込み過ぎると、裁量の幅の狭い組織になったり、債権者に対する組合契約書の開示義務に沿って外部の人に全てをさらけ出すことにもなります。
事業案の特性に配慮して十分に注意して、慎重に契約書を作成してください。
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LLPの登記完了!そして
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LLPの登記が法務局で完了すると、「登記簿謄本」の交付が受けられるようになります。この「登記簿謄本」はコンピュータ化されている法務局では「履歴事項全部証明書」という名称で交付されます。
「履歴事項全部証明書」の他に「現在事項全部証明書」というものがあるのですが、これには過去の変更事項については記載されていません。外部機関に提出する際には「履歴事項全部証明書」を使った方が適切な場合がほとんどです。
後は、金融機関の口座を開設したり、税務署や必要に応じて社会保険関係の行政庁への届出などを行う必要があります。
法人格を有しないLLPが金融機関で口座を開く場合、組織名の後に担当する組合員の個人名が入る形が一般的です。
例えば、
「 有限責任事業組合 ビジネスサポート 組合員 山田一郎 」
といった具合です。
口座に関わらず、行政への申請・届出、外部と取り交わす契約書など正式な文書には、ほとんどの場合こうした形で記載していくことになります。
また行政の許認可などを必要とする事業を営む場合は、LLPが主体となって許認可の取得が可能かどうかの確認、また必要な手続きの確認を行ってください。(これらは非常に重要な事項なので、必ず事前の確認を行ってください。)
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これらが完了したら
いよいよ新事業の開始です!
組織名に「LLP」の名を冠した真新しい
名刺を手に、早速仕事に出かけましょう。
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当センターでは、面談コンサルティングを通し、新事業の器として「LLP」が良いのかまたは「株式会社」や「LLC」が適当なのか、などの組織体選択のお手伝いを行っております。
またご要望により、各組織体の設立サポート業務も行っておりますので、一度お気軽にご相談ください。
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